✴︎ Camino de Santiago – Portuguese Way Central Route | Porto – Santiago (May-June 2025)
ポルトガルの道(Camino Portugués)は、スペイン・ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のひとつであり、ポルトガル第二の都市ポルト(Porto)を始点とする場合、内陸を北上する「内陸ルート」と海岸を沿ってゆく「沿岸ルート」から選択することになる。
ポルトからの全行程は約240〜260kmに及び、1日20km前後のペースで歩けば12〜14日ほどの旅程となる。起点となるポルトは美しい歴史的街並みとワインの街として知られ、そこからは村や田園、丘陵地帯を抜け、徐々に巡礼らしい静かな風景が広がっていく。スペインとの国境をなすミーニョ川を越え、トゥイ(Tui)からスペインに入ると、終着のサンティアゴまで残り115km。巡礼証明書の発行条件を満たす距離となるため、この区間のみを歩く巡礼者も多い。
この道は比較的巡礼者が少なく、落ち着いた雰囲気を好む人々に支持されている。食文化も豊かで、ポルトガル側では海の幸や郷土料理を楽しめる一方、スペイン側ではガリシアらしい滋味深い味わいが待っている。
巡礼路としての整備状況も良好で、黄色い矢印や道標に迷うことは少ないが、一部では固い舗装路や中世の石畳が長く続く区間もあり、脚への負担には留意が必要である。
静けさ、素朴さ、そして内省の時間を求める巡礼者にとって、ポルトガルの道・内陸ルートは、喧騒から離れた旅の選択肢として魅力的な道のひとつである。